清水草一とは何者か?経歴から名著・フェラーリ購入伝説まで分かる完全攻略法
編集部
日本の自動車メディア界において、独自の立ち位置を確立し続ける異端の自動車評論家・清水草一氏。「MJブロンディ」や「永福ランプ」といった別名義でも知られ、専門的なメカニック解説よりも「クルマがもたらす快楽や人生の悲喜こもごも」をユーモラスに描くスタイルで熱狂的な支持を集めています。2026年現在も『ベストカーWeb』や『webCG』などの最前線で健筆を振るい、その動向はbizilabe.elhuyar.eusの特集レポートなどでも改めて注目を集めています。
従来のモータージャーナリストが走行性能やスペックの数値を厳密に評価するのに対し、清水氏は自らを「大乗フェラーリ教」の開祖と称し、庶民がいかにしてスーパーカーの夢を掴むかという実践的なエンターテインメントを提示してきました。慶應義塾大学卒業後、大手出版社である集英社の編集者を経てフリーランスへと転身した波乱万丈のキャリアと、読者を惹きつけてやまない独特の哲学に迫ります。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:集英社の『週刊プレイボーイ』編集者からフリーへ転身し、大ヒット作『そのフェラーリください!!』で自動車文筆業としての地位を確立。
- 要点2:延べ60台以上の愛車遍歴を持ち、特に中古フェラーリを実質的な資産として乗り継ぐ「庶民派スーパーカー道」を体現。
- 要点3:『webCG』や『ベストカー』での人気連載に加え、首都高や新東名などの高速道路問題に切り込む交通ジャーナリストとしても高く評価されている。
【経歴と転身】集英社編集者から異端の自動車評論家へ至る全軌跡
1962年に東京都で生まれた清水草一氏は、1985年に慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、大手出版社の集英社に入社しました。配属されたのは、当時の若者文化を牽引していた『週刊プレイボーイ』編集部です。編集者時代から自身の愛車体験やバブル期の狂乱ぶりを活かした企画を手掛けていましたが、組織の枠にとらわれない執筆活動を志し、1992年に退社してフリーランスへと転身しました。
フリー転身後の最大の転機となったのが、1995年から『週刊プレイボーイ』で連載され、後に単行本化されてシリーズ累計数十万部の大ヒットを記録した著作『そのフェラーリください!!』です。当時は「フェラーリなど一部の大富豪しか所有できない雲の上の存在」という常識が支配的でした。しかし清水氏は、原稿料と貯金をかき集めて中古のフェラーリ・328GTSを個人売買で購入し、維持費のリアルや故障との格闘を赤裸々かつコミカルに綴ったのです。
この体験記が多くの車好きに「工夫次第で自分にも買えるかもしれない」という強烈な希望を与え、自ら提唱する「大乗フェラーリ教(すべての庶民がフェラーリによって救済されるというパロディ思想)」の原典となりました。正統派のモータージャーナリストとは一線を画す、読者と同じ目線で悩み、歓喜する体験型ライターとしてのキャリアがここから本格的に幕を開けました。
| 年代・転機 | 主な出来事・活動実績 | 代表的な愛車・著作 |
|---|---|---|
| 1985年〜1992年 | 慶應義塾大学卒業後、集英社に入社。『週刊プレイボーイ』編集者として活動後に独立 | 日産・フェアレディZ、シトロエン・BXなど |
| 1995年〜2000年代 | 中古フェラーリ購入記が大ヒット。「MJブロンディ」名義での執筆も本格化 | 著書『そのフェラーリください!!』/フェラーリ・328GTS、F355など |
| 2010年代〜2026年現在 | 『webCG』『ベストカー』等で連載多数。高速道路研究家としてメディア出演も増加 | 連載『カーマニア人間国宝への道』/フェラーリ・328GTB、458イタリアなど |
中古フェラーリ購入本の大ヒットと60台を超える「愛車遍歴」の狂気
清水草一氏の代名詞ともいえるのが、常軌を逸したペースで繰り返される愛車遍歴です。免許取得から2026年現在に至るまで、所有した車両は実に60台を超えています。そのラインナップは、数十万円の激安中古車(光岡・レイや初代プリウス、歴代シトロエンなど)から、数千万円クラスのフェラーリまで極端な振り幅を持っています。
なかでもフェラーリに対する執着は凄まじく、最初の328GTSを皮切りに、テスタロッサ、348、F355、360モデナ、カリフォルニア、458イタリア、そして再び328GTBを買い戻すなど、10台以上の跳ね馬を自腹で所有してきました。ここで特筆すべきは、清水氏が「大富豪だから買えているわけではない」という点です。
「フェラーリは実質タダ」を証明したリセールバリューの法則
清水氏が自著やインタビューで繰り返し説いてきたのが、中古フェラーリの驚異的な資産価値(リセールバリュー)です。一般的な高級輸入車は購入から数年で価値が半減しますが、値落ちが底を打った中古フェラーリは、適切なメンテナンスを施して数年乗った後でも、購入時とほぼ同額、あるいは相場高騰によって購入額以上で売却できるケースが少なくありません。
「車両本体代金は銀行に預けているのと同じ。実質的な出費は整備費や保険料だけであり、国産の新車を買って値落ちするよりはるかに経済的だ」という清水氏のロジックは、多くのカーマニアの背中を押しました。単なる試乗インプレッションにとどまらず、自己資金を投じてリスクを背負いながら「クルマを買う快楽と売却時のリアルな収支」まで公開する姿勢こそが、長年にわたり読者の信頼を繋ぎ止めている最大の理由です。
『webCG』や『ベストカー』の連載が熱狂的に支持される理由
現在、清水氏は複数の有力メディアで看板連載を抱えています。なかでも自動車専門サイト『webCG』で長期連載されている『カーマニア人間国宝への道』は、日本全国の常軌を逸した車好き(カーマニア)を清水氏が直接取材し、その愛車ライフを掘り下げる名物企画です。
2021年5月配信の第206回「四の五の言わずに東大へ行け!」や、2023年7月配信の第262回「最悪すぎて可能性は無限大」といった過去のアーカイブを見ても分かる通り、単なる車両紹介ではなく、オーナーの人生観や進学・キャリアの悩みまでをユーモアたっぷりに昇華させています。維持困難な旧車を複数台所有する若者や、特定の車種に人生を捧げたマニアに対し、清水氏が「人間国宝」の称号を与えつつツッコミを入れる独自の文体は、他メディアには真似できない読み物として定着しています。
また、日本最大級の自動車メディア『ベストカーWeb』においても、世相を反映した辛口コラムを多数執筆しています。2026年1月11日に公開されたコラム『威圧感からはもう卒業!! ワルへの憧れを捨ててオラオラカーを降りると人生がさらに楽しくなる件』では、近年の日本市場を席巻する大型メッキグリルのミニバンやSUV(いわゆるオラオラ顔)の流行に一石を投じました。「周囲を威嚇するようなデザインから降りて、可愛らしいクルマや素直なデザインの車に乗ることで精神的な平穏と新しいカーライフの楽しさが得られる」という提言は、SNSやコメント欄でも大きな反響を呼びました。

【実態検証】もう一つの顔「高速道路研究家」としての実績とネットの評判
自動車評論家としてのコミカルなキャラクターの裏で、清水氏は極めて真面目な「高速道路研究家」としての顔を持っています。幼少期から地図と道路計画に強い関心を抱き、日本全国の高速道路網やジャンクションの構造、渋滞メカニズム、さらには道路公団民営化や料金制度の矛盾について、専門書を多数出版してきました。
『首都高はなぜ渋滞するのか!?』や『高速道路の謎』などの著作では、イデオロギー的な批判ではなく、実際の交通量データや道路構造令(設計速度や曲率半径の基準)に基づいた建設的な提言を行っています。新東名高速道路の最高速度120km/h引き上げ議論や、首都高速道路の地下化・更新計画などにおいても、テレビの報道番組や新聞各紙から専門家としてコメントを求められる機会が多く、交通インフラ分野での権威性は非常に高いものがあります。
SNS・掲示板(5ch)における読者のリアルな声
ネット上のコミュニティやSNSにおける清水氏の評価を検証すると、その二面性に対する好意的な反応が目立ちます。
- 肯定的な評価:「メーカーへの忖度がなく、デザインの良し悪しをハッキリ言うから信用できる」「自分の財布からお金を出して何十台も買っている人の言葉には重みがある」「道路行政や渋滞対策の記事は、並の評論家よりよほど論理的で勉強になる」
- 議論を呼ぶポイント:「走行性能の評価が感覚的すぎる」「フェラーリやフランス車への偏愛が強すぎる」といった声も一部にあるものの、そもそも清水氏自身が「私は限界領域のドライビングが分かるモータージャーナリストではなく、ただのクルマ好き文筆家」と公言しているため、アンチが湧きにくい独自のポジションを築いています。
一般に知られていない盲点と別名義「MJブロンディ」の秘密
清水草一氏の記事を読む上で、多くの読者が一度は疑問に思うのが「MJブロンディ」や「永福ランプ」といった複数のペンネームの存在です。特に『レスポンス(Response.)』や『ベストカー』などで見かける「MJブロンディ」は、長年にわたり清水氏のメインの別名義として使われてきました。
なぜ本名と別名義を使い分けるのか。その理由は、日本の自動車雑誌業界特有の「競合誌ルール」や「媒体ごとのキャラクター分け」にあります。1990年代から2000年代にかけて、同じ月に複数の競合する自動車雑誌へ同じ署名で寄稿することが編集部の慣例として敬遠されるケースがありました。そこで、媒体のトーンに合わせて「清水草一」「MJブロンディ(モータージャーナリスト・ブロンディの略)」「永福ランプ(居住地周辺の首都高出入口に由来)」を使い分けたのが始まりです。
2026年現在では、どの名義も同一人物であることが公然の秘密となっており、記事の文末やプロフィール欄でも併用表記されることが増えています。しかし、名義によって微妙に文体のテンション(真面目な試乗記か、くだけたエッセイか)をコントロールしている点は、編集者出身ならではの職人技といえます。
【プロの結論】清水草一の批評スタイルが向いている人・向かない人の判断基準
自動車メディアの多様化が進む現代において、清水草一氏のコンテンツはどのような読者に最適なのか。メディア分析および消費者心理の観点から整理すると、明確な境界線が浮かび上がります。
【向いている人(強くおすすめできる層)】
クルマを単なる移動手段や工業製品としてではなく、「人生を彩る趣味・エンターテインメント」として捉えている人に最適です。特に、予算に限りがある中で「いかに面白く、損をせずに魅力的な中古車を選ぶか」を知りたい層や、自動車デザインのトレンド、高速道路のインフラ事情を楽しく学びたい読者にとっては、これ以上ない指南役となります。
【向いていない人(他を当たるべき層)】
サーキットにおけるコンマ1秒のタイム削りや、サスペンションの微細な減衰力特性、最新の自動運転技術・EVバッテリーの高度な工学的解説を求める読者には不向きです。清水氏自身が「細かいメカニズムや限界挙動は専門のテストドライバー系ジャーナリストに任せる」というスタンスを取っているため、純粋なカタログスペックの比較や厳密な購買ガイドを求める場合は、他の正統派モータージャーナリストの試乗記と併読するのが賢明です。
【清水草一】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:清水草一氏が「MJブロンディ」や「永福ランプ」と名乗るのはなぜですか?
A1:かつて複数の自動車雑誌やWebメディアに同時並行で執筆する際、媒体ごとの競合を避けるためや、記事の切り口(王道の試乗インプレッションか、くだけたコラムか)を区別するために考案されたペンネームです。現在はすべて清水草一氏本人であることが公表されています。
Q2:本当に原稿料だけで何台ものフェラーリを買えたのですか?
A2:はい、事実です。1995年に出版した『そのフェラーリください!!』の印税や原稿料を元手に最初の中古フェラーリ(328GTS)を購入し、その後は「値落ちしにくい中古フェラーリを買って数年乗り、価値が落ちないうちに売却して次の個体の頭金にする」というサイクルを繰り返すことで、延べ10台以上のフェラーリを乗り継いでいます。
Q3:なぜ自動車だけでなく高速道路の解説でテレビに出演するのですか?
A3:清水氏は少年時代からの熱狂的な道路マニアであり、全国の高速道路網の建設経緯や渋滞の原因、料金制度に関する専門書を多数執筆する「高速道路研究家」としての実績があるためです。JCT(ジャンクション)の鑑賞ブームの火付け役の一人でもあります。
まとめ:今後の動向とクルマ好きが学ぶべき本質
集英社の編集者からフリーランスへと飛び出し、『そのフェラーリください!!』で一世を風靡してから30年以上。清水草一氏は、電動化や自動運転の波が押し寄せる2026年の自動車業界においても、変わることなく「クルマを所有する歓びと人間の業」をユーモラスに描き続けています。
2026年6月に『AUTOCAR JAPAN』でモータージャーナリストの大谷達也氏が日産自動車のモデル数絞り込み(56車種から45車種への削減)について報じたように、日本の自動車メーカーが効率性と生き残りをかけた大再編に直面する中、清水氏のように「スペックや効率だけでは測れないクルマの情緒的価値」を言語化できる書き手の存在感は、むしろ以前よりも高まっています。
見栄や威圧感のためにクルマを選ぶのではなく、自分の感性に正直になり、時には中古市場の歪みを賢く利用して一生モノの体験を手に入れる。清水草一氏の著作や連載コラムは、これからの時代を生きるすべての車好きにとって、最高に楽しく実用的なバイブルであり続けるはずです。